実話:閉じ込められ監禁・・・

yoshi-blog2009-12-06

おことわり
この話は紛れもなくノンフィクションです。

穏やかな冬晴れの日曜日。まさか自分がこんな大事件に巻き込まれるとは・・・今思うと後少しタイミングを逃したり、何かを犠牲にしていたとしたら・・・そう考えると今こうしてブログを更新出来ている事を喜びに感じる今、まさか自分が主人公になるとは思いもよらなかったYoshiです。こんばんは(-_-メ)

日曜日。かねてから予定していた予定が目白押し。嫁さんと子供二人はママ友集団で友達マンションの集会所を借り切って月一恒例のランチ会。朝からお出かけ準備をしながら忙しい。でも、はるくんとあいちゃんは恒例のシンケンジャーに始まり、仮面ライダープリキュアとアニメ目白押しなので比較的おとなしめ。パパは昨日は12時前に寝たので実は寝不足解消で朝から珍しく動いている日。

嫁さんも一通り身支度中だったけど、自分も予定通りカブトムシの幼虫君達の冬支度。

そろそろ土を交換しておかないと蛹の時にメンドクサイし、ここの所寒くなってきたので外に出しっぱなしにしていると寒くなるかな?って思ったので朝から土交換です。結構しんどい作業なんです。

予めケースは今、中が1個、大が2個。この中に前回チェックで10匹生存していたので、まー条件悪かったケースもあるっぽいのでひっくり返してみるとやっぱり7匹。でも、さすが生存競争勝ちあがってきた固体だけあってサイズは昨年に比べてかなり大きめです。やっぱり初齢幼虫の時の餌が効いたみたいです。来年も朽木は準備が必要だなあと思ったり。

はるくんも一緒にお手伝いしたいと言うので土の中の幼虫探しを手伝ってもらいました。このまま土を捨てて全部入れ替えてもいいんだけど、それで前回失敗しているので、土を振るいにかけてマットの中からフンとか、朽木のカスとかいらんものを取り出して再利用。それをケースの下部に敷き詰めてちょっと今回は硬めに押し固めます。その上から残しておいた腐葉土を足して出来上がり。でも、出来る上がるまでに3時間くらいは土いじりしていたわけなんですがね・・・

途中はるくん達はお出かけ。

「いってくるね。あとであいちゃん迎えにきてね」

「うん。わかった・・・」

あいちゃんはいつもこのランチ会になるとお昼食べた後グズグズして泣き出すのでパパがあいちゃんだけ後で回収に行くという計画だったんです。なのでそれまでは自分の時間・・・いや〜嬉しいね。

子供達が出かけた後も土を振るいにかけて、整理したり、開けた腐葉土を予備のケースに発酵用として保存したり、後は掃除したり1時間くらい幼虫作業やっていたんですかね・・・

「さあ、これくらいにして終わりにしようかな?」

結構ベランダにいたなあ〜1時間以上いた。ジャンバー着ていたけど寒かったベランダも日が差してきてちょっと暑い。軽く作業が終わった後、体を伸ばして今日の作業に満足。

まさか、この後、Yoshiに不幸な出来事が起こる事も分からずに・・・





「ん?」


「・・・・」


「まじかよ!!!!」


思わず、自分の置かれている状況に絶望しました・・・


そう・・・



「鍵が、鍵が・・・・開いてねー!!!!」


そうなんです。ベランダの扉の鍵がご丁寧に閉まってます・・・そして家族は全員外出中。まさか、家の中で浮気しているわけでもあるまいし、携帯なんぞ持ち歩く習慣はありません。(まー持ち歩かなくても・・・略 笑)

「そっそうだ・・・さっき、嫁さんがオムツを捨てていた・・・あそこなら・・・」

我が家はあいちゃんのオムツを捨てる専用ゴミ箱が家の中じゃなくて、ベランダに設置してあります。ちょうどYoshiの書斎部屋から窓を開けてポンと捨てられるのです。しかも、朝嫁さんはいつも律儀に部屋を換気しているので、ここの窓も開いているはず・・・

ドキドキと不安、そして一つの希望を胸にしまいつつ手をかけてみる窓。

「・・・ああ・・・閉まってる。まじかよ・・・こんな時だけ鍵なんか閉めるなよ!!!」

期待は一瞬、絶望は一生。まさに完全密室に取り残されました。そんな時に脳裏に浮かんだ会話。


「あのさ、今日って何時くらいまでやってるんだっけ?」

「そうね〜片付けとかあるから3時くらい?」

そんな会話を思い出し、今の時間は多分11時くらい。嫁さんは10時くらいに出かけたと思われるので知らない間に1時間監禁されてます。まさに、ここからは自分との戦いです。でも、パニッくってもしょうがないので改めて自分の置かれている状況を確認しました。

・ここは飛び降りれる高さじゃない
・鍵は全ての窓にかかっている(なぜか、反対側の寝室は後で気がついたけど窓開けっ放し
・警報センサーはスイッチONになってないので一応破壊も可能

でも、どうあがいてもかなり分が悪い状況です。そしてYoshiの持ち物

・ハサミ
・ビニール手袋(2セット)
・スプーン
腐葉土(残り10リットルくらい)
・水(幼虫の土にかけるスプレー)

こんな装備じゃどうあがいてもピッキングなんぞ出来るものじゃありません。ためしにハサミを扉の隙間に入れてみようと思いましたがさすが防犯対策されたサッシ、隙間なんぞこれっぽっちもなく分厚いハサミなんぞ入りません。

「これは、こまったぞ・・・・」

ベランダから顔を出しあたりを見回してみても、誰もいない。大通りに面しているけどベランダ側は反対側。隣の住人のベランダをちらりと見たらすでに洗濯物が干してあり次出てくるタイミングはなかなかなさそう・・・

「本当にどうしよう・・・」

最初、窓を閉めた嫁さんに対して非常に強い怒りを覚え、そして、さらにそのぶつけられない怒りを溜め込み、自分の置かれている状況に凹む。さあどうしよう。15時過ぎまでベランダでふて寝しているか?でも、さすがに15時までトイレに行けないのはキツイ・・・かといっていきなりお隣さんのベランダに飛び降り「あの、閉じ込められたのでしばらく居候させてください」と言うほどご近所付き合いがないのがマンションの痛い所。もう少し仲良くしておけばよかった・・・仮に入れてもらえたとしても今Yoshiの服装は土いじりするし・・・と思って朝起きたままのスエット。髪の毛ぼさぼさ。髭もそらず、土まみれ。そして靴もなく、鍵もなく、嫁さんのいるお友達のマンションまでよしんば行けたとしても、そんなパパを見たらお友達のママはなんて思うだろう?そりゃ、会いたくないし、それで嫁さんがみすぼらしい旦那を見られて恥ずかしいだろう・・・ありとあらゆる色々な事を考える事15分。少し遠くを見つめると15mくらい先の一軒屋の2階で洗濯物を干している人がいる。

「ああ、あの人に叫んで助けてください!って言えば助かるかも・・・」

たしかに、助かるかもしれない、でも見ず知らずの人。大声で叫んでも聞こえなかったら超恥ずかしい・・・でも、今そんな恥ずかしいとか言っている状況でもない・・・勇気を持って息を吸い込んで大声で助けてください!って叫ぼうと思いました・・・

ガタンゴトンガタンゴトン〜

「・・・・電車が・・・」

ちょうど家の前20m先にある線路に快速が走りました。我が家は防音サッシとかになっているので窓を閉めると正直あまり外の音は聞こえません。なぜかと言うと国道と電車が近くにあるって理由なんです。だから普段生活していると全然気にならないけど、外は意外とうるさいんだなあ・・・と思うと叫ぶ気もなくなり意気消沈。

「窓ガラス割るか・・・」

幸い警報装置は切ってあるのでパンチで破壊して開ければと思ったけど、そこはセコイYoshi。頭に浮かびました。

・窓ガラスの修理代:ん十万?
・砕いた窓ガラスで負傷したガラスまみれの腕:ん万円?
・その出来事における夫婦の中:priceres

こりゃ無理だ・・・相変わらずお隣さんはベランダに出てきません。もう立つんだジョー!と言われんばかりにベランダの壁際によりかかってガックリしているYoshi。お天道様はどこまでも高く上ってきます。整理した幼虫ケースの表面に乗せておいた幼虫も気がつけば全て土の中に入ってます。

「いいな〜お前たちは家に帰れて。俺、まだ家に入れないんだよね・・・」

とつぶやくYoshi。気がつけば12時過ぎです。監禁されて2時間が経過したようです。カーテン越しから時計を確認し、テレビからは笑い声が聞こえます。でも、笑える状況ではないYoshi。あーなんでこんな事になったのかなあ・・・俺、このままここで干からびちゃうのかな??絶望は気力も削り、思考能力も落ちたままどれくらい時間が過ぎたのでしょうか?

なにやら親子の笑い声が聞こえます・・・ベランダを乗り出してみると家の前の駐車場から車を出そうとした小さな子供と、パパです。同じマンションの住人さんです。もう、これを逃すとチャンスはない。勇気と最後の力を振り絞って叫んでみました。

「すいません・・・」

「はい?なんでしょう?」

「あの、すいません。今、ベランダに閉じ込められちゃっているんですが、」

「え?ええええ」

「家族が外出しちゃって、気がついたら鍵閉まっているんです」

「えー!!私、どうしたらいいですか?」

「すいません。うちの嫁に電話したいんですが、電話してもらってもいいですか?」

快く引き受けて頂いたのでそこから嫁さんの電話番号を口頭でお伝えしました。嫁さんの携帯の番号覚えていたので覚えていなかったらこの作戦使えず、かなり大掛かりな救出作戦になる所でした。もっとも、嫁さんがランチ会に夢中で出なかったらそっち方面になるなあと密かに覚悟もしていたのですが・・・

そのパパさんが

「私、○○マンションの住人ですが、お宅のご主人さん、ベランダに閉じ込められたって言ってますが・・・」

と事情を説明して頂き

「今すぐ来るそうです」

「そうですか・・・ありがとうございました。助かりました・・・」

お礼をちゃんとして一安心。その20分後急いで戻ってきた嫁さんに救出されましたが、

「ごめん!本当にごめん!!」

「おまえさ〜ごめんじゃねーよ!!」

と、言ったけどあまりにも疲れて、怒りを通り越してなんか泣きそうだった。ちょっと小さい頃悪い事して「ここに入ってなさい!」と押入れに閉じ込められた心境に近いもの。嫁さん、実は前科1犯なんです。12時くらいに帰宅したら家のチェーンをかけてYoshiが入れず電話してもピンポンしても気がつかず、最後は寝室の窓をドンドン叩いて起したという事件もあったのにもかかわらずまたやらかしてくれましてね。まーとにかく疲れた。

その後嫁さんは子供を会場に残しているのでタッチアンドゴーで帰っていきましたが自分はなんか、疲れちゃってヘロヘロ。なにやってるんだろう?と思いつつ、結局嫁さんの予定通り14時前にあいちゃんを迎えに行ったけど、嫁さんはママ友達にもびっくりされていたそうです。そして、あいちゃんを回収しに行った時の好奇な目線が・・・苦笑 自分があいちゃん回収して戻った後に

「旦那さん怒ってなかったね」

なんて言われてたけど怒りもメータ振り切れると怒れなくなるんだなあと・・・

結局、あいちゃんを家に連れて帰ったものの全然寝る気配もなく、家の中で遊んでいるあいちゃん、自分も明日の仕度とか細々用事こなしていたら部屋がしーんっとしていたので見てみると、遊びながら寝てるあいちゃん。

「なんだよ・・・寝ちゃったのかよ・・・」

ソファーによりかかるようにして寝ていたので抱っこしてそのまま二人で嫁さんとはるくんが帰るまで昼寝。

1時間以上寝れたけど、なんだかつかれた1日だった。

気をつけよう。ベランダでの作業には・・・次から携帯電話だけは持っていこうと思います。

皆様もお気をつけくださいませ。よくこの手の話は耳にしたりテレビで目にしたりしていたけど、まさか自分が当事者になるとはこれっぽっちも思ってませんでした。特に小さなお子様がいるご家庭では子供が興味本位で鍵を閉めてしまった・・・なんて出来事もあるらしいので気をつけましょう。

以上、嘘のような本当の話。

今日はこんな感じ、
ではでは。

追伸
昨日のあいちゃんの写真は結構評判良かったから、ソファーで寝ている写真も取っておけばよかった・・・