卒業出来なかった。でも良かった・・・

yoshi-blog2007-01-16

1月16日晴れ。

天気はいいけど冬晴れの寒さに体がついていけない。そんな日・・・

午後からお休みをもらって病院に行ってきた。今日は、はるくんの検診の日。嫁さんは全然気にしてない様子だったけど、自分はやっぱり無駄な心配とか不安とか、胸の張り裂けるような思いとか、頭の中でめぐりめぐってしまって全然寝付けなかった。たぶん実質2時間ちょっとしか寝てないような気がする・・・

深夜地震があったけど、そこで気がつくと「寝れないの?」そう言われるのが怖くて一人寝たふり。そんな事をしながら迎えた今日、僕は深呼吸を何回もしていたのかもしれない。

お昼過ぎに会社を出て一人電車に乗ってぼけ〜としてた。嫁さんとはるくんと現地の病院で合流。前は家から近かったけど、今日は前の家の方面の電車に乗って見慣れた風景を見ながら移動。なんか不思議な感じ・・・引っ越す時に病院変えても良かったけど、やっぱり病院って大事だと思うんだよね。特に子供の主治医は大事。向こうからしてみればビジネスかもしれないけど、僕にとってはよりどころだから、どうせなら落ち着くまでは今の先生にお願いしよう。そう思って病院変えてなくて
今日正解だなって思った・・・

自分が到着したのが予約の時間のギリギリセーフの時間。すでに待合室前にはるくんもいて、どうやら特に落ち着いた様子で、ベビーカーの前でしゃがんで頭をなでなでしながら

「はるくんさ〜今日は泣かないでがんばろうね。他の子泣いてないでしょ?」

そう話しかけたけど、彼は

「ん?なんの話?」

そんな表情されて力抜けた。こっちは緊張してドキドキしているのに、そのドキドキ感がこの子に伝わっちゃいけない。普通にね、そう普通に・・・何度も自分に言い聞かしているのがばれちゃったのかな?とにかく、待合室の時計の針は大嫌い。

定刻どおり、時間になって看護師さんに呼ばれ、いつものお決まりのコースで一通り検査が始まるんだけど、この検査が嫌いなのか、それともこの先何かがあるかもしれない?そう不安になるのか、ここではるくんが大泣きしちゃって大変だった。暴れる、暴れる。体重とか身長とか測るのだけでも看護師さん大苦戦してて自分も側にいながら

「大丈夫だよ。お姉さん何もひどいことしないよ」

そう言っても耳に入ってなくて大絶叫。ごめんな・・・でもしょうがないんだよ。お前のためだ。心でそう思うけど、やっぱり子供の涙は胸が苦しくなってしまうのよね・・・

「ごめんね〜すぐ終わるからね〜」

看護師さんはそう言うけど、頭まわり、胸周り図って体重と身長とかその他諸々、そんな短時間で終わるはずがない。今まで安住の地だったママの抱っこから引き離されて得体の知れない事をされている・・・それだけも十分怖い事なのかもしれない。

15分くらいで検査終わったけど、終わる頃には絶叫系の叫びで声をからして、ヒックヒックしてて、抱っこしたんだけど落ち着くまでに時間かかった。はるくんくらいの月齢の子なんていないので独り抜き出た体格で泣き叫ぶ物だから、他の子に本当に申し訳ない気持ちで一杯になってしまうのよね。

そして、20分後。検査の結果とかを元に先生に呼ばれた。

「前回はようやくお座りが出来るくらいになったけど、最近どう?」

「そうですね。つかまり立ちも出来るようになりましたし、成長はしているみたいです」

「そっか。ハイハイとかは?あと、つたい歩きは出来る?」

「ハイハイはずりはいじゃなくて、ちゃんとできるようになりましたし、まだつたい歩きは出来てないですね」

いつも、こんな感じで問診が始まって、その間は自分の膝に乗せておもちゃ持たせていたけど先生が

「はるとくん、今日は先生見て泣かないでね」

とか言われちゃって、でもここまではややご機嫌は良かった感じ。

「じゃあちょっと調べてみましょうか」

先生は、はるくんをベットに移動させて色々試験じゃないけど、検査してた。後ろには研修医とか新人の先生とか一杯。毎度の事でなれたけどね・・・座らせてわざと重心崩してみたり、立たせてみたり、立たせてから前に重心移したときにどんな反応をするのか?主には反応検査みたいな事を15分くらいしてたのかな?その間は案の定、パパから引き離されて大泣き。先生も困ってたけど、もう火がついちゃって止まらない・・・ごめんね。本当にごめんよ・・・

「うーん・・・まだつたい歩きはできなそうだなあ・・・」

先生は前のカルテを見ながらそう言いました。

「修正月齢何ヶ月だっけ?」

「2ヶ月ですね」

「そうだよね・・・このまま年齢だけでね母子手帳の記載事項を埋めていくとほとんど【いいえ】になっちゃうと思うんだけど、でもカルテ見てると前回よりはしっかりしてきているし、ちゃんと成長してるよね。」

「はい。最近、一人でおもちゃつかみながらなんか言葉を発したり、色々反応は出ているんですよ」

「そうねえ・・・一応早い子は1歳二ヶ月で歩く子もいれば、平均は1歳6ヶ月といわれているけど、はるとくんはたぶん、8ヶ月とか10ヶ月とか・・・そんな感じになっちゃうかなあ」

「・・・・そうですか・・・」

「たぶんだけど、修正月齢当てはめても全部の項目は【はい】にはならないと思うんだよね。」

「ですよね・・・そんな感じがします」

「でもね、早産の子にある障害とかね、病気があるってわけじゃないから歩けないって事はないので安心してください。ただ、やっぱり1歳過ぎると遅いと言ってもこれは個人差の問題になるからね・・・」

「・・・」

「どうします?一応、前回卒業という話もしたけど、もうちょっと様子みましょうか?そうだな〜次は、3ヵ月後かなあ?そしたら歩けていると思うけど・・・一応気になるでしょ?ちゃんと見ましょうか・・・ね。」

そう言ってはるくんの顔を覗き込んで微笑んでくれた・・・

「はい。ぜひ。お願いします

こんな感じで診察は終わりました。終わった後気がついたけどこの先生結構有名な先生だったのね。副部長さんでしたよ、病院の・・・どうりで研修医が毎回いるわけだ・・・

今日、本当は病院の検診が最終日になるはずだった。一般的に出産した子は半年くらいの間は毎月先生が見てくれる事になっているけど、うちのはるくんは今月で1歳4ヶ月になる。修正適用なので1歳2ヶ月で計算しなくてはいけないのでこんがらがるけど、こんなに長い間経過観察をしてくれるのは稀なパターンだと思うけど、ここで「今日で終わりで」って言っても良かった・・・でも、なんかすがりつける場所とこの状況を理解してくれる人がいるのにわざわざ離れるのも、もったいないそんな気持ちになって、気持ちよく延期のお願いをさせていただいた。

この子は人よりほんの少しだけ苦労してこの世に生を受けたから、人よりほんの少しだけ周りの目があって、心配してくれている。親にとってはありがたい話で本当に主治医の先生とか看護師さんをはじめ、理学療法士の先生とか役所の担当の人とかいろんな人にお世話になっている。本当に心から助かっていて自分の心のバランスを取る役目を果たしていただいているけど、別に悲観しなくてもいい結果というか、ほんのちょっと遅いだけで後は問題なさそう。その答えが今日もらえただけで満足だった。

でも、この子は遅い。きっと、この先色んな事がずれて成長する事になる。これは受け止めなきゃいけなくて、それはこの子のせいじゃない。たまたまこの子が人よりほんの少し修行する時間が多くなっただけ・・・そう思う事にしました。その分得られる糧も人より多くなるじゃない。そう思ったらなんだか体の力がすっごく抜けてきたようです。

検診が終わって・・・

「はるくん、お疲れ様。今日はよくがんばったね^^ パパがんばったから今度はるくんにまたおもちゃ買っちゃおうかな〜」

そんな話をしながら、病院を出てあまりにも疲れて近くのスーパーで嫁さんとクレープを食べてから家路についた。

家に帰って、疲れがどっと出てしまって自分の部屋で気絶してたみたいで、起きたらかなりいい時間になってしまい、なんかホッとしたら一気にパワーを使い切ったみたいだった。

その間、引越しをしたので前の役所から今の役所に引き継ぎ処理が終わったらしく、新しい役所の担当者さんから連絡があって理学療法士の人と会うのが2月の頭になったみたい。その後嫁さんと家で軽く乾杯がてらお酒を飲んだけどワイン一口でフラフラだ・・・

でも、はるくんも疲れてたみたいで割とぐっすり寝てくれたみたい・・・とりあえず、はるくんが遊びながら歩く練習を出来る知育系のおもちゃを買ってみようかな?そう思いましたとさ。

#歩行器はやめといたほうがいい。先生が言ってましたしね・・・

そんなわけで、ゴールはなかったけど、気持ちの中で一つ区切りはつけたのかな?別にそんな卒業とかそんな事を気にしている自分がバカだった。でも、卒業じゃなくて次のステージに進んだ。そう思いたい・・・

とにかくはるくんおつかれさま。またパパと一緒にがんばろうね・・・


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今日書かないと思ったけど、このブログを書いている最中に電話があったので追加。MIXIにはこっちの部分は削除しておこう。

さっき母親から電話があった。母親も覚悟を決めたらしい。こんな時間に・・・なんで電話してくるの?と思ったけど

「なんで母さん知らせなかったんだ。そう言われるも嫌だから今の事実を伝えるわ」

そう言って母親が例の件、現在の状況を話してくれた。

「行く、行かないは自分で決めなさい。でも、行って気が動転するとか、パニックになるなら、行かないでほしい。本人はまだ、がんばろうとしているんだから・・・」

そう言われた。そんな事言われて、無理に決まってるじゃない・・・

「母さん、俺さ、行きたいけど、行ってさ。取り乱しそうだし、もう俺も覚悟しているからさ、行くのやめとくよ。○○(嫁さんの名前)とも相談したんだ。本当は最後に一度はるとを見せてあげたいけどでも、俺無理だよ。無理に決まっているじゃない・・・」

「最終的には自分で判断しなさい。でも、はるくんつれてくるとかね、そんなのはやめてちょうだい。今だって大勢いるのに、本人が気がついたらどうなるのか分からないし・・・」

「そっか・・・俺いけるタイミング明日しかねーよ。でも、色々考えると側に行かなくても遠くで祈るそういう形もあってもいいだろ?そんな俺がくるってだけで周りが神経使うようならやめとくよ。」

「わかったわ。○○(親戚のおばさんの名前)には言っておくわ」

そういって電話を切った。

もう本当にだめなんだ・・・本当は駆けつけて行きたい。でも、母親が自分にそこまで言うって事は、よほどの事なんだろう。今日も泊まりらしいし、そんな大変な時に自分が駆けつけて何ができる?何もできねーよ!

奇跡は本当に起こらないんだね・・・

私は宗教という物を自分では信仰してはいません。でも身勝手だけど、それでも神様にお願いしたくなってしまう。心の準備をしなさい。母親はそう言ったけどでも、そう簡単に自分の気持ちを整理できるほと人間の器は大きくはないようです。