ありがとう、おばあちゃん・・・

おことわり

本日の日記は見る人によっては不快な表現がふくまれているやもしれません。
お気に召さない方は本日の日記を避ける事をお勧めします。



天気は穏やかな晴れ。
少し肌寒かったのかな?でも、暑くもなく陽気としてはちょうどいい感じだったんじゃなかろうか?そんな晴れた土曜日。
今日はおばあちゃんの告別式でした。

はるくんと、あいちゃんも、いつもと違う雰囲気に少し戸惑いを感じつつも、親戚一同があつまったので、おねえちゃんがたくさんいて相手にしてくれたので本人達としては、楽しかったみたいです。

少し早目に式場に到着しました。昨日から泊まっている母親が

「はるくん、あいちゃん、今日は来てくれてありがとね。まだ式まで時間があるので、おばあちゃんに会いに行こうか?」

控室から、式会場まで連れて行きました。

おばあちゃんはお棺に入ってはいたけど、まだ顔は見れる状態。そこは、本人達に任せて自分はなんとなく遠巻きでその様子を眺めてました・・・自然と、お棺に近づいて行き、おばあちゃんの顔を眺めてました。

「パパ、なんで、おばあちゃんは、ここに入っているの?」

「おばあちゃんはね。いっぱいがんばったんだけど、疲れちゃったみたいだからお休みしてるの。亡くなっちゃったんだよね・・・だから、今日はおばあちゃんのお葬式なんだよ」

あまり死に対して理解はしてないようすだけど、あいちゃんが

「パパ、なんでおばあちゃんは笑ってるの?」

「それは、おばあちゃんがね、今日みんなが来てくれてうれしいんだよ・・・」

自分も気が付かなかったけど、死に化粧してくれた時に笑顔に見えるような感じにしてもらったみたいでした。

そんな事もあり、しめやかに告別式は始まりました。

あいちゃんも、はるくんも、とっても行儀よく静かにしてくれていたので一杯あとで褒めてあげたけど、やっぱりお経を読んでいる最中色々かんがえちゃったな・・・ああ、もうこれで本当にお別れなんだ・・・もう、おばあちゃんには会えないんだ・・・本当になくなっちゃったんだ・・・少しづつ、少しづつ現実と思えなかった自分も現実を受け止める時間が近づいてきました。

最後のお別れのとき。

お棺には、生前おばあちゃんが大好きだった洋服や、みんなが書いたお手紙、そして、お人形も棺に納められました。そして檀上にかざってある、綺麗なお花をいっぱい、いっぱいお棺にみんなで敷き詰めました。

「パパ、あいちゃんもおばあちゃんに、お花あげていい?」

「うん・・・いいよ。おばあちゃんもきっと喜ぶと思うからあげてね」

「じゃあ、綺麗なお花をあいちゃんが入れてあげる」

あいちゃんは、ピンク色のお花とか、黄色のお花とか、おばあちゃんの側に一杯おいてくれました。はるくんも、静かにそっとお花を置いてくれました。隙間なく、綺麗なお花がたくさん・・・本当に綺麗なお花でした。そんな中で静かに眠っていたおばあちゃん、今にでも起きてきそうな優しい笑顔をしてました。はるくんと、あいちゃんはお花を入れては、おばあちゃんの棺のそばで、じっと眺めている姿が印象的でした。

もう、これで本当に終わり・・・最後の瞬間。母親はお棺にしがみついて号泣してました。
父親もハンカチで涙をぬぐってました。

皆さん、知ってました?もうすぐ母の日だったんですね・・・会場の人が

「もうすぐ、母の日なのでカーネーションをご用意いたしました。最後に、お母様に感謝の気持ちを込めて、カーネーションも添えてあげてください」

棺の真ん中に、おばあちゃんの娘でもある、母親と2人のおばさんが、カーネーションをそえてました。本当はもう一人のおばさん、母親の妹は先に亡くなってしまっているんだけど、最後に棺にカーネーションが添えられて、とっても、とっても綺麗でした。たぶん、こんなに綺麗なカーネーションを見るのは、人生で初めてでしょう。カーネーションは母親という人に似あうとっても素敵な華なんだなあ・・・って思った。

静かに、静かにお棺を見送り、そのまま火葬場へ。

何度見ても、このお棺が火葬場の炉に入っていく瞬間はいたたまれないですね・・・ずっとあいちゃんを抱っこしていたんだけど

「パパ、おばちゃんはどこにいっちゃうの?」

「おばあちゃんはね、これから、お空に旅立つために、ここでお別れをしなきゃいけないんだ・・・」

そう言ったら、あいちゃんは、上を見上げて、天井に開いている光の取り入れる小窓をさして

「あそこ?どこにいるの??もっと上?」

「どこかねえ・・・でも、きっと、おばあちゃんは、お空の高い所で、あいちゃんががんばっている姿を見てくれていると思うよ。今も・・・これからもね」

1時間くらいかな・・・そして焼いた遺骨を骨壺に収めました。はるくんも、おばあちゃんに骨を拾ってくれました。

なんだろね・・・他の親戚の子は、やっぱり慣れない雰囲気に怖がったり、泣きだしたり・・・でも、不思議とあいちゃんとはるくんは、何かを受け止めてくれていたのかな・・・

そんな感じで、あとは精進落とし。初七日法要も一緒にやってしまいましたからね・・・でも、初めて知ったけど、今回火葬場までのバスに乗れない人もいたので、自分も車をだしたんですけどね、親戚にはあんな派手な色の車で火葬場行って・・・と言われたけどさ、別に俺も火葬場までバスで行く予定だったし、そもそも派手って赤い車の何が派手なん?とも思ったけど、母親が車を出せって言うからだしたんだけど、親戚のおじさんに

「行きと、帰り、同じ道は通れないから俺の後ろをついてこい」

って言われたんですけど、そんな風習あるみたいですね・・・家に帰って理由を調べて納得でした。

結局夕方近くまで会場にいて、無事告別式と、初七日の法要は済ませる事が出来ました。母親は、自分の母親が亡くなったって事もあって、がっくりきてましたが、しょうがないよね・・・

途中荷物を運んだり、実家に行ったり、色々雑用こなしていたのでいい時間になっちゃったけど、帰宅。

精進落としで、相当ビールや日本酒を飲まされていた嫁さんは、酔っぱらってダウンでした。(笑)

「わたしちょっと寝ていい?」
「ああ、いいけど、何時に起こせばいい?」
「私のペースで起きるから大丈夫」

そんな事言ってましたが、子供を寝かしつける時間まで起きてきませんでした。苦笑
ま、お風呂も夕飯も、片づけも済ませましたけどね・・・たまには、疲れているでしょうからゆっくりしてくださいな。


色々思う所あるけれども、形あるものが無くなってしまう事で、人の想いも、ほんの少し区切りをつけられる物なのかな?って思った・・・

与えられた命は、粗末にしてはいけない。
今、何気ない毎日は、実はとても素晴らしいかけがえのない1日なんだ。
そう思うと、頑張れない事があっても、きっと頑張れると思う。

明日から、また、がんばろうと思いました。
自分のためにも、家族のためにも・・・








おばあちゃん。
本当にありがとうございました。
長くて、辛い闘病生活だったと思うので、今はゆっくり休んでください。
ぼくは、おばあちゃんが大好きでした。

受けた、恩に何も報いる事もできませんでしたが、どうか、僕たち家族を見守っていてください。