父さん・・・

yoshi-blog2007-09-05

親の気持ちは親になってみないとわからない。けど、子供の気持ちも子供になってみないとわからない。だとしたら、私という存在は自分の子供からどんな風に思われているのか?親ってなんだろう?子供の立場ってどうなんだろう?と改めて静かに考えてみたYoshiです。こんばんは(ーー;)

あれですね。やっぱり病院っていうのは疲れるね。何か見えない何かに魂のパワーを吸い取られているようで・・・家に帰ってきたらどっと疲れちゃった水曜日。

予定通り午前中は昨日の鎌倉の件でお客の所に直出。すっごい雨がバケツをひっくり返したように自分に降りかかり傘を差しても役に立たない大雨の中お客の所でトラブル対応。昨日2件解決できなかった問題のうち、1件は解決。昨日夜家に帰ってネットで調べ物をした意味があった。それからもう一つも一晩冷静になって考えてみた結果、トラブルは解消しなかったけどトラブルの原因は判明できたので良しとしよう。でもね、トラブルが重複している時って往々にしてプチパニックになってどこから手をつけていいかわからなくなるけど、

・問題対処はパラレルで行わない。
・程度が軽いものから解決する。
・やった事は記録してダメだったら戻してから行う。

重いのを先にやるか、軽いのを先にやるか?これは永遠のテーマだけど、2個悩むより1個だけに集中したいと思うと軽いのを先にやりたがる性格が今日ぴったりはまっただけなんですけどね。

仕事も目処がついて、後は一緒に来た同僚に引継ぎつつ自分は早退して一旦車を取りに戻ってから父親の入院している病院へ向かった。この病院なかなか閑静な住宅街の中にあって、多分あまり一般の人はいけないような病院。なぜそこにいるかっていうのは、父親の人徳となせた技なんでしょうね。病院も大きいだけがいいとは限らない。名前が売れているだけがいいとは限らないと思うので入院する時はよく考える事をオススメします。

病院に到着した頃には小雨。傘を差す手も足取りも重い。大丈夫。心配ない。とは言っても一応全身麻酔を打つし手術中何かあったら・・・たかが胆のう炎の手術と言ってもそこらへんは気が小さいので微妙に脈拍があがっているのに気がつく。やっぱり母親は先日妹をなくしているので若干ナーバスになっているわけで、

「無理ならしょうがないけど、できればきてほしい」

と昨晩言われていたので、おのずと息子としても

「ああ、一人じゃやっぱり不安なんだろうな・・・」

心中察する自分がいたりして・・・でも、母親の妹さん(某病院で婦長さんでして)からも

「お見舞いいくはいいけど、妊婦さんと幼児にはやっぱりいい所じゃないから連れてこない方がいいかもよ」

とクギをさされていたので今回は一人でお見舞いに行く事にした。さすがにアイツは転職した初日らしく無理だって事で、父親の様子と母親の精神安定のためだけの立会い。

自動ドアを開けて一番最初にある売店。多分時間はきっとかかるだろうと思って、売店にある読める雑誌と漫画を6-7冊購入した。だって病院でただ待っているだけって苦手。一人で待っていると時計の針とか看護師さんの足音とか、カチャカチャ器具が移動する音とか気になってしょうがない。

「あら、早かったわね。もう少し遅くなるかと思ってたわ」

病室に行くとすでに父親は手術が始まっていたみたい。

「さっき看護師さんが来てもうすぐ手術終わるって言われたわよ」

「ああ、そう。何も言われてないんでしょ?じゃあ、俺漫画買ってきたし読んでいるよ」

広い病室。なぜか4人部屋の病室なのに父親しか入ってないから妙に広い。鞄からMP3プレーヤーを取り出して音楽を聴きながら漫画とか雑誌を読んでいた。余計な事は考えたくない、ただ、時間を過ぎてほしい。それは母親も同じだったみたいで、無言のまま病室のテレビをヘッドホンをつけてみているだけ、親子広い部屋で無言のまま時を過ごす。

1時間後

「手術終わりました。これから主治医の先生から説明がありますのでしばらくお待ちください」

13時に手術を始めて15時に終了。まあそんなものなのかな?その後20分くらい待たされて別室に案内された。

「今回、執刀した○○です。ご主人の手術は特に問題もなく、トラブルもなく終了しました。今回、胆のうを摘出しました。これがそれです」

いきなり心の準備もなく、父親の摘出部分を見せる医師。生もの、血は超苦手のYoshi。もう血の気が引いて、思わず気持ち悪くてリバースしそうになったのを必死にこらえるものの、医師はその摘出したものをいじりながら説明を続けた。

「今回痛みがひどかった原因ですが、胆のうがかなり腫れて炎症を起こしてました。皮の厚さが通常の5倍くらい腫れていたため、レントゲンでも分からなかったのですが、中から砂状の胆石が出てきましたのでこれが原因だと思います」

もういい、よく分かった。うん、もうはやくそれしまって・・・と心の中で念仏を唱えていたものの、良性だけど一応病理検査にまわすって事で説明終了。一旦父親の病室に戻って15分くらいしたら父親が戻ってきた。

「まだ、意識が混濁していますのでしばらくはお話できないかもしれないですね」

テキパキと支度をする看護師さんが説明をしてくれて病室に戻ってきた父親。酸素マスクもしていて眠っていたけどとりあえず無事に手術は終了しました。

20分くらい後にようやく目が覚めてこっちの問いかけに反応するものの

「○×△■・・・・」

麻酔が切れてないので何を言っているのか全く分からないけど、まあとりあえず生還したんだなと確認できてよかった。

なんか、今まで一度も入院とか怪我とか大きな病気はした事のなかった父親。小さい時に思った父さんの背中は大きいなとか、存在感というかうまく説明できないけど、そんな父親が入院して、手術して今、目の前に弱っている姿を見ると、なんだか

「オヤジ、小さくなっちゃったなあ・・・」

って思った。別にただの胆石で手術しただけだけど、それでも1週間以上食べ物はろくにとってないのでやせちゃったし、声もか細くなっちゃったし、点滴をしている姿を見るとそれだけ父親も、自分も年齢を積み重ねていたんだなあと気がついた気がする。

自分と全く逆の生き方をしてきた父親。父親らしい事をしてもらえたかというと全然して貰えてなかったし、むしろ息子に心配をかけるしょうがない面もあったけど、それでも父親と息子という関係は切っても切れない関係なわけで、アクセル全開で生きてきたけど、ここらで一度ピットインしたんだなと思えた自分が妙に冷静にこの状況を理解してて、なんだか不思議な感じ。

結局自分はとりあえず意識も戻ってきたし、お昼も食べてなかくて17時ちょっと前。

「俺、そろそろ帰るけど、母さん帰るなら家まで送っていくけどどうする?」

「私はまだお父さん意識戻るまでいるから先帰ってなさい。」

「ああ、じゃあそうさせてもらうよ。」

荷物をまとめながら

「オヤジ、俺帰るからな。じゃーな。」

そう言ったら目を開けて、震える手でバイバイしてた。そして呼吸器つけてたけど、声にならない声で

「ありがとな」

って言ってたみたい。


帰り道。運転しながら色々思う所があって一人で考え事していたけど、やっぱり身内の病気とかそういうのを目の当たりにすると心配してしまますよね。雨もすっごい振っていてワイパーやっても運転しにくい。雨もどしゃぶり。こういう時だけは機械式駐車場って不便だなあって思う。

「おか〜り〜(おかえり〜」

扉を開けるとはるくんがにっこりお出迎えしてくれた。すっごいニコニコしてて、パパ〜パパ〜ってまとわりついてくれるのが嬉しくて、さっきの心配とか悩んだこととか全部すっとんでしまったけど、そこは一応病院帰りだったのでキッチリ消毒してうがい手洗いをしていたら

「ぱぱ、キレイ、キレイ」

「あーそうだよ。はるくんのお外から帰ってきたら手を洗っているでしょ?」

横でじっと見てたけど、うがいをするために首を上に向けたらはるくんも真似っこで首を上に向けてうがいポーズ。

「はるくんまねしたな〜」

うがい終わって抱っこしたらとっても満足そうな顔でした^^


なんか、その後疲れちゃって気がつけばソファーで気絶。ま、何事もなかったし終わりよければすべてよし。そう思えば明日への糧にでもなるかな〜と思えている自分がここにいます。

おかげさまで父親の手術も無事に終わりました。後は術後の経過観察なのでその辺は母親に任せるとして、まずは無事を素直に喜ぶのと、親を思う息子の気持ちも思い出したし、逆に自分が父親として息子を思う気持ちも必要だってことも実感できたので、なんてことのない手術日だったけど、色々勉強になりました。願わくば今晩の夢であの摘出した臓器が出て来ないことを切に願うだけです。

皆様も健康には十分留意くださいませ、入院や病気は本人だけでなく、周りの家族にもそれなりに影響ありますからね・・・・


さ、もう寝よう。さすがに疲れた。