どうか、神様。赤ちゃんを助けて・・・

yoshi-blog2005-09-26

23:25

これから病院に行く事になりました。

大丈夫、絶対大丈夫

どうかママと赤ちゃんを助けてあげて・・・

3:00

今、家に帰ってきました。今日は大事な報告をしなければならなくなりました。今日からブログよりも優先するべき事ができました。よって更新は毎日できなくなるかもしれません。でも自分でこのブログはありのままを書く、ありのままを表現する。そして記憶する。そういう意味があるので包み隠さずここに残します。よって連絡が滞ったりお返事が出来ない場合があるので、ご容赦ください。

仕事終わって23時。会社を出て嫁さんにメールしました。「今から帰るね」そういうメールをしてた後に留守電が一件入ってました。震える声で嫁さんからでした。

「出血して止まらない。病院に相談したら今から来てって言われたから今からタクシーに乗ります」

迂闊でした。打ち合わせ中でマナーモードにしてたので気が付きませんでした。あわてて嫁の携帯に電話してもつながりません。留守電から30分、病院じゃないのかな?大丈夫かな?不安だけが脳裏によぎり顔面蒼白でした。40回くらい電話してたけどつながらない。自宅にかけてもつながらない。気が動転していたのか、ようやく電話に出れない状態なんだ。そう気がつき震える手を落ち着かせてなんとか病院に電話して確認をすると嫁はちょうど検査中。

「だんなさんも大至急病院に来てもらえますか?」

これは大変な事が起きたんだ。そう認識しました。といっても移動中の電車の中では無事を祈るだけ、無宗教のくせに「お願い神様、どうか無事でありますように」心の中は念仏のように祈るだけです。そして赤ちゃんにも「お母さんもがんばってるんだから、お前もがんばれ」そう言い聞かせながら、駅を降りはやる気持ちを落ち着いて病院へと向かいました。

どんな顔して会えばいいんだろう。お前が心配させてどうするんだよ・・・お前が落ち着いてないでどうするんだよ。何度も救急入り口の前で無駄に深呼吸しては、そう言い聞かせて救急の受付に向かいました。入り口で看護婦さんが待ち構えていて「こちらへ」無言の看護婦さんの後姿に脈拍が上がります。

「今、診察中ですのでしばらくお待ちください」

そう言われて待合室で待たされました。誰も居ない待合室でフロアには赤ちゃんの泣き声しか聞こえない空間で15分くらいだったと思うけどものすごく長い。時計の針は無かったけど心の中で秒針の音が聞こえ、「どんな結果でも受け止めよう。そして二人でがんばろう」僕はそう決心しました。胸が苦しくて、何も出来ない自分に歯がゆくて無意識のうちに唇をかみすぎて、口から出血してたほど何かを思いつめてたのかもしれません。僕らはここまでやっときたのに・・・そう思うのはやめとく事にしました。そうするうちにほどなく、看護婦さんが僕を処置室に連れて行くと嫁さんは点滴をしながらベットに横になってました。

「よう。大丈夫か?」

僕の精一杯の平静を装う姿がここにありました。なんとか嫁さんも落ち着いていて一安心でしたが、先生が病状を説明してくれました。

「奥さんは切迫早産の可能性があります。母子共に今のところ無事ですが、陣痛が始まっているので抑える薬を投与します。薬の投与は赤ちゃんにリスクがありますが、今出産してしまうリスクにくらべたら薬を投与したほうが良いと判断しました。今日から入院して絶対に安静にしなきゃいけません」

切迫早産
http://www5a.biglobe.ne.jp/~hhhp/souzan/souzan.htm

早産とは妊娠22週以後から妊娠37週未満までの分娩を言います。総分娩数の約5%が早産となりますが、その原因は前期破水、多胎妊娠、羊水過多症・過少症、頸管無力症など多岐にわたります。子宮収縮抑制剤である子宮筋弛緩剤の使用によって妊娠の継続が可能となりましたが、早産が避けられない症例もあります。早産は未熟児出生を意味するために周産期管理、未熟児管理が重要になります。

僕は一通りの説明を聞いて、同意書をよく読み、サインしました。保険が利かないと言われましたが赤ちゃんの命をお金に買える事はできないし、いくらかかってもいい。何はともあれここは、命を最優先する事を考えました。実際の予定日は11月の中旬です。計算上1ヶ月以上早いことになります。実はお昼ごろに電話した時に薄い出血があったと報告があったので

「もしかしたら、それお印じゃないの?」

半分笑い話が冗談ではなくなりました。それでも早い、早すぎる状態で子宮口も少し開いている状態で病院に来るのがあと少し遅かったらヤバかったそんな状態でした。とりあえず、今日は陣痛を抑える点滴と、赤ちゃんの成長を促す注射をして様子を見ると言うことで絶対安静の即入院になりました。それから点滴を受けながら嫁さんのお腹のはりと赤ちゃんの心音のグラフが静かに打ち出され紙に克明に記録されていく数時間、今の今まで病室で付き添い。とめどもない会話をして気を紛らわせて上げよう、落ち着かせてあげよう。そう思って手を握りながら色んな話をしました。実際は自分の気を落ち着かせるためにがんばっていたのかもしれません。赤ちゃんの心音もトレースしているのが見えたけど赤ちゃんはとても元気でそれが一安心する結果にもなりました。

今後は最低でもあと1週間はお腹の中にいないと超未熟児になる可能性があり、さまざまな問題がでる場合があるそうなので1日でも長くお腹の中にいれるように最善を尽くす事になります。僕としては何も出来ることはありません。先生も助産師の人も良い人だし、後は祈るだけ、淡々と気を紛らわせるだけになると思います。嫁さんはもともと痛みに強く、ここ数日お腹がはるとか、ちょっと痛いとか言っていたのがプチ陣痛だったみたいです。不幸中の幸いか我が家はちょうど先週で入院準備が完全に整っていたので特に急いで何かを用意すると言うことがないのですが、二人で話していたけどもしかしたらこうなる事を本能的に予測していたのかな?とも運命的な物を感じずにはいられません。

先生の説明を受けた後に入院の手続きとか、書類書きやっていて、最近じゃ入院する時に入ってる宗教も聞かれるんですね。まあ、それも理由はあるみたいだけどここでは触れますまい。結局、点滴を受け様子をみたけど数時間一向に落ち着く気配がなく、お腹のはりと痛みが繰り返す状態だけど、

「ご主人お休みなりますか?」

「そうですね。どうしようかな?」

「このまま奥さん今日はここの部屋にいる事になると思います」

「そうですか、じゃあ、今日はとりあえず帰ります」

病院を出たのは2:30を過ぎてました。でも、病室で前から悩んでいた名前の件が二人の相談で一致しました。まだ発表はしなけど、そんな悠長に考えている余裕もへったくれもなくなったのでとりあえず名前を決めて、あとは無事に生まれてくるように祈るだけです・・・

なんでこんなに早くなったのか、それはもしかしたら僕のせいかもしれません。早くほしい。早くでてこないかな?お前の顔が見たいな。そういう会話を頻繁にしていたのを耳にして気を利かせてくれたのでしょうか?幸いなのか、なんなのか、実は10月5日が嫁さんの誕生日で会社の同僚からものすごく良い本があると聞いて、今日プレゼントを選んでいたのです。

わたしがあなたを選びました

わたしがあなたを選びました

なんというタイミングか分からないけど、この本を会社の机にしまっておくべきか、家のどこかに隠すべきか、悩んだ上にかばんの中に入れてました。ちなみに本の内容はここのURLに乗ってます。

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Himawari/6637/watasi.html

今日しかないと思って、この本を嫁さんにベットの上で手渡しました。

「この本を読んでお前もがんばれ」

そう言うのがいまの僕にはイッパイイッパイの励ましでした。

なんともまとまりの無い文章ですが、そんな訳で自分の命よりも大切な物のために力を注ぎます。よって、メール、電話、その他諸々にはお返事できません。あわせて嫁さんの電話は音信普通です。その辺をお察し頂ければ幸いです。

どうか、無事に生まれてきてくれることを切に祈ります。

がんばって、君だけじゃないんだよ。ママもパパも一緒にがんばるからね。だから、落ち着いて、ゆっくりでいいからがんばろうね。急ぐことはないんだよ。目の前にパパとママは一緒にいるし、いつでも会える。もうちょっとだけでいい、少しだけ我慢してね。そしてママを守ってね。

もう少しだけ・・・もう少しだけでいいから、一緒にがんばろうね。