ライバル会社に潜入する仕事・・・

昔、油絵の師匠が「パレットに白い絵の具を出して、ちょっとでも黒が混ざってしまうと後でどんなに白を足しても灰色にしかならないから気をつけなさい」って言われた事を帰りの電車でふと思い出し、もう白いパレットには戻れないんだと気がついたときに自分のキャンパスには何色を塗れば素敵な絵が描けるのだろう?と独り言をつぶやいたYoshiです。こんばんは(ーー;)

純真とか純粋とか、そういう言葉はいつまで大切にできるんでしょうかね?
なんでもピュアでは生きていけないし、でも、ダークサイドに染まる自分から得られるものはなんだろう?と考えるとむなしくなるよね・・・それが汚い大人の世界だと言い訳してしまえば自分の気持ちに嘘はつけるかもしれないけど、いつの日か、この時選択した手段は結局自分の心のパレットに黒い絵の具を出しただけなんじゃないのかな?って思った火曜日。

今日は午後からちょっと外出。机の前で資料を見てにらめっこしたりGoogle先生で検索した所で本当に欲しい情報は手に入らないし、自分の居場所を変えるだけでも何か新しい発見もある・・・とおもう人なので、今日は仕事の残課題は割り切って他社さんの主催するセミナーに参加して勉強してきました。

無料ではあるけど、1回10名様限定ってやつでなかなか予約が満席だったんだけどキャンセル待ちしていたらOKが出たので午後から山手線を乗り継いで某大きな駅前にあるバーンって感じで立っている大きなビル。事前に案内状には

「エレベーターで直接〇〇階にお越しください」

って書いてあったのでちょっと緊張してエレベータに乗る。

扉が開いた瞬間に奥のセキュリティゲートで立っている係の人と目が合って

「本日のセミナーご参加の方ですか?」
「はい。そうです。」
「ありがとうございます。それではご案内いたしますのでこちらへ・・・」

と、ふかふかの絨毯っぽい廊下を歩き、途中何箇所かあるセキュリティゲートをくぐり警備員の前を通りセミナー会場へ。実は、このセミナー参加できると思ってなかったんだよね。なぜかって言うと、ライバルの会社が主催している一般企業向けのオープンセミナーではあるけどホームページには

「同業他社や競合他社の方がエントリーした場合お断りする場合がございます」

って書いてあったんだけど、よくOK出したなあと思ったくらい。ま、この手のライバルに普通に乗り込むことも偽名使って登録して参加することも日常茶飯事だからなんとも思ってないし、こちらはレギュレーションを守って参加してますから、産業スパイではないしね。(笑) でも、きっと入り口で名刺を出した瞬間ばれたんだろうね。視線が痛い・・・苦笑 多分相手からしてみたら、

「なんで、あいつはこのセミナーに参加しているんだ!」

って思われたに違いない。でも、これも必要な仕事。ライバルの会社の事業戦略、販売方針、売り方っていうのは必ずしも全部隠し通せるわけはなくて、こういう所から得られた断片情報を組み合わせて、じゃあうちの会社はどうしようか?って気づきにもなるからね・・・

でも、セミナー始まったら、ただのお客。こっちもライバルの会社がどんな風に説明をして、どんなプレゼンをして、そこにどんなバリューがあるのだろう?っていう興味から参加しているけどさ、素直に素敵なセミナーだなあと思った。会場の雰囲気。落ち着いた雰囲気で少人数だからじっくり説明しますって感じが出ていて説明する人との距離感も絶妙だったし、エスコートも上手だった。もちろんプレゼンの内容も納得できるクオリティでなんとなく、ライバルの会社が売れている訳、どこをターゲットにしているのか分かっただけでも大収穫だったな。

もちろん、露骨に質疑応答の時間で何かいう事もなく、無言でただ終わった後アンケートを書かされるんだけど、そこの自由記述欄に

「大変参考になりました。ありがとうございました。」

って書いて笑顔で退席したけど、きっと、ブラックリストに乗ったのはまちがいないw
別にどうでもいいけどさ。

些細なことかもしれないけど、こういう事で大事なことに気がつく事もあるんだよね・・・それは自分の席に座っていても分からないし、ネットで検索しても出てくる情報ばかりじゃない。自分の足で自分の目で見ることの大切さを改めて認識できた1日だったな・・・・

今日はこんな感じ
ではでは。