今そこにある紛れもない現実・・・

yoshi-blog2011-03-28

【おことわり】
・本日の日記は震災がらみのリアルな話題です。現実逃避中の方、あまり震災関連の情報を目にしたくない方にはおススメ出来ない話題が含まれてます。苦手な方は避けてください。
・本文中の各種情報については伝聞情報(いわゆる現地の人から聞いた人からの伝え漏れている話)や二次情報が含まれてます。正確性に欠けている部分も多分に含まれてます。後日間違っている事がわかった際は修正、もしくは削除で対応いたします。
・仕事の性質上、そのままお伝えできない部分はオブラードに表現、もしくはたとえ話をふんだんに利用します。事実とは異なる部分もある可能性が否めませんのであらかじめご了承ください。







本日はいっさい笑いもプライベートの話題もない日記です。






今自分の立ち位置がどこにあるのか分からない・・・こうやって当たり前のように生活をしている自分、でも、身近な所に激甚災害があっていくつかの爪痕は目に前に存在する。でも、どこかそれがリアリティがなくて、刻一刻と変わる情勢と膨大な情報をどうフィルタかけていいのか自分もわからなくなっている自分がいる。悲観しすぎると自分が壊れそう。でも、楽観視するほど事態は甘くない・・・でも、そこでも毎日必死に生かされている人達がいるなかで、僕という存在は何を、どうしたらいいのか?かっこつけるつもりはないけど、自分の立っている場所がリアルなのか、バーチャルなのかわからなくなってきた・・・


大災害から2週間。周りもなんとなく日常を取り戻しつつある。それはいいことだ・・・
でも、現地では今、この瞬間にも必死に耐え、なんとか助かり、そして明日を見つめている人達がいる。

そんな状況と、自分が勤めている会社は非常に密接な状況でもある。
詳しくはかけないけど、これから自分の会社は多くの人求められていることを成し遂げなければいけない義務と責務を負っている会社だってこと。

連日、偉い人たちは詐害対策の会議とかで忙しくなっている・・・もちろん現地のうちの会社も大きな、大きな被害を受けている。自分も漏れ伝わる情報、社内の噂レベルの話、そしてテレビから流れるニュース。もう2週間ずっと社内ではデジタルサイネージからずっとNHKニュースが流れてて、緊急地震速報やテロップの臨時ニュースの音を聞くたびに一斉に画面を注視している。そんな状況。

すでに、現地には、うちの会社も多くの人が被災地域の復旧支援に向かっている。ありえないくらいの人が現地対応をしている。ありえなくらいの人が現地に行く=ありえないくらいの現地の事務所の人が足りないと言う事だ。人が足りない理由。説明しなくてもわかるよね・・・そんな現実が目の前にある。

僕らの仕事には直接お客と関わる仕事と、お客と間接的に関わる仕事がある。その中で自分はどちらかと言うと直接かかわる仕事に分類されているから現地支援は後だと聞いていた。だからうちの会社も最初に投入されているのは間接的にかかわる人達が中心に緊急展開している感じ。

詳しく説明できないのでたとえ話になるけど、軍隊で言う所の海兵隊みたいなもの。とりあえずありのまま、必要最低限の装備をもって現地に赴く。先遣隊的な人もいれば、緊急対応しなければならない人もいて、ここについては、第一優先順位に何かを直すための仕事が最優先されるから、正直プロが選抜される。プロって何かわかる?それは、このような災害の際に現地で対応した経験があるか、ないかってこと。

うちの会社は歴史だけはある。だから阪神淡路の大震災とか中越沖地震とか大規模災害の際に現地で対応した人が最優先で派遣される。そう、現地では役に立たない人は連れて行っても意味がないから・・・当然過去の震災から数年たっていれば人事異動もしているけど、そんなの関係ない・・・・今の仕事を捨てて最優先でしなければならない仕事がある。そんな風土を持っている会社なので、この時は多かれ少なかれ、全員協力しようって素敵な会社なんです。

そんな海兵隊的な部隊も緊急対応的な状況なので、そろそろ兵站的には交代要員が必要となる時期。順次追加派遣されるチーム数もどんどん増えている。そして来週も、再来週もどんどん増えていくだろう。軍隊で言う所に海兵隊が橋頭堡を作った後に陸軍とか本体が布陣を整えるそんな状況なのかもしれない・・・

そのフェーズから、直接お客さんと密接に関わるチームも現地に徐々に入り始める。つまり、僕らのチームからも現地対応する人が徐々に出て来ている状況で今週から大災害でニュースにもなった、陸前高田に入った人の現地リポートを聞にする機会があった。情報はテレビとあまり変わらないけど、でもやっぱりショックだった。今僕がここにいる現実。でも、被災地で激甚災害が起きている現実。その狭間を漂っている気がしてならない・・・そんな気分だ。

ぼくらの会社はプロだ。壊れているものは直せる。それは僕らがプロだって誇りをもって仕事をしているからだ。
でも、僕らにも直せない物がある。それは、壊れているんじゃなくて、「何もないもの」は直せない。

直せない・・・だって、そこに何もないんだもの。
津波で流され、ここに建物がありました。建物の中に僕らが導入した設備、システムが存在してました。
でも、そこには何もない、荒れ果てた一画の景色が映っているだけ。
そんな写真を見せられて絶句する。

こうなると、そもそも都市計画をどうするか?っていう、シムシティで言う所の道路はどこに作る?建物はどこに立てていいの?電気、水道はきてるの?等々があって初めて建物が建てられる・・・そんな状況で、僕らがやる仕事はそこにない・・・

でも、そうじゃない所は急ピッチで作業が進んでいく・・・そして、今後どんどん追加支援が必要になり、社内でも人選作業が進んでいる。現地で必要とされている作業にあっている人をピックアップして今の仕事を調整しながら随時増えるだろう。でも、被災地の人は大変だけど、支援に行く人も当たり前だけど、相当の覚悟の上でいかなければならない・・・それが分かって正直愕然とした。

ボランティア経験がある人からすれば「当たり前だよ」って言われるかもしれないけど、でもそりゃそうだよね・・・って気持ちもあるけど、改めて現地に行くには当たり前の覚悟が必要なんだって思った。

当然、こんな状況なので日々状況は刻一刻と変わっている。だから、ここに書いてある内容は、今この瞬間で聞かされている話なので、この先状況は変わるという前提で見てほしい。

・被災地に行く人は、寝る場所はない。体育館、避難場所は被災地の方の寝る場所であって現地支援の人が寝る場所じゃない、だから寝袋防寒具は必須。(ホテルや宿が取れる場所は極力取るけど、最前線ではそんな場所はない)

・被災地の食糧、水は、被災している方の物であって現地支援の人の食べ物はない。だから現地支援する人は自ら食料、水は持ち込みで最低1週間は確保できる用意をすること。(会社として1週間分確保した上で現地に乗り込むとのこと、その後の補給に関しては別途調整)

・移動手段がない。こっちから4WDの車は確保する。ただし、現地のガソリンは被災者優先。現地支援する人のガソリンじゃない。ガソリンは確保するように調整するが、完全に確保できるかわからない。

・今回の派遣については、土日も休みもへったくれもない。

・被災地の方は食料事情が満足な状況ではないので食事は一日二食。そんな状況で自分たちだけが昼飯なんて食べれない。

・応援期間は未定、1週間かもしれないし、1か月かもしれないし、もしかしたら3か月かもしれない。どちらにしろ、帰りのガソリンや追加派遣の人員調整に左右される。

もっと色々あるけど、こんな感じ。つまり生半可な気持ちでは現地いけないなって事。
当たり前だけど、こうやって説明されると、リアルな現実を垣間見て、どうする事も出来ない自分がいて、俺は何を出来るんだろう?って本当に凹む。

もちろん、現地に行く人だけがヒーローじゃない。後方支援も大事な仕事。YoshiのチームはYoshi含めて現地に行っても良いとオーダを出している人間が複数いる。もちろん現地に必要とされるスキルを持っている人間からになるけど、Yoshiは当面現地に行く事はないみたいです。

つまり、まず当面(GWくらいまでかな?)は現地に行った人間の穴を埋めろ、コントローラーがいなくなったら、こっちの仕事も成り立たないって言われたけど、それも現時点、今、この状況下の判断であって確約じゃないから、結局の所もしかしたら行く事になるだろう。でも、自分の前に、同じ仕事をしているチームの半分が順番に現地に行く事になりそうです。その調整業務が少しづつ始まっている。

普段の仕事なんて本当に手が付かなくなりそう。
今、ここで何事もなく、淡々と仕事をこなしている自分がいるなかで、自分達の同僚と呼ばれる人達がいろんな所に行って現実と向き合い、出来る事をこなしている。

ある人は、被災地近くで、被災地の人の安心を取り戻すために自分を捨てて対応している人がいる。

ある人は、自分の地元だからと、志願して行きたいと強いまなざしで手を挙げている人がいる。

ある人は、避難区域ギリギリの場所にある守るべきものを守るためにギリギリの調整をしている人がいる。

うちの会社だけじゃない、今日本中で多く人が、多くの気持ちが災害現場と向き合っている。

そんな中で、僕は何が出来るんだろう?
そう考えると、結局淡々と出来る事を、出来るだけこなさなきゃいけない自分がいたりする。




僕は無宗教だ。
神様なんているわけがないと思っている。


でも、今回だけは、自分ルールを曲げさせてほしい。



どうか、神様。
神様と呼ばれる存在がいたら僕の願いを叶えてほしい・・・

被災された方に暖かい光と、安息の時間を!


これから、手を差し伸べる人達に安全を!


そして、守るべき未来と、かけがえのない子供達の明日を取り戻すために、


僕も、僕らも、そして、手を差し伸べている人の願いが、


すべての人に届きますように・・・


願わずにはいられません。